Carl Zeiss C Sonnar T* 50mm F1.5 ZMのレビューをします。
約1年使用した上での感想なので多少は参考になる部分もあるかと思いますので、もしよかったらご覧ください。
スペック的な話も一応書きますが、メインは使用感、作例についてですのでもしスペックの詳細が気になるという方はサイトのリンクを貼っておきますのでご覧ください。
このレンズはZeiss銘が入っていますが、製造は日本のコシナです。品質は間違いないと思っています。
目次
デザイン
とにかくレンズの見た目がかっこよくて気に入っています。
CarlZeissとかVoigtlanderのレンズはとにかく見た目のこだわりが強いですよね。
ほんのりクラシカルな見た目に金属製素材を使った外観には見た瞬間テンションが上がりました。
フジのレンズもかなりかっこいいと思いますが、質感・金属の感じとか持っていてテンションが上がります。
レンズが重くてちょっと前のめりになってしまうこともありますが、でもそれでもかなり見た目は良いと思っているのでお気に入りです。
今回のSonnarやNoktonなどのコンパクトなレンズはフジで言えば、EシリーズやProシリーズのようなレンジファインダースタイルのほうが似合うかなーと個人的に思います。
とはいっても、僕が使っているX-T4でも全然かっこいいんですけどね。フジは見た目が良いのでかっこいいレンズが似合います。
スペック
焦点距離 | 50mm |
絞り値 | f/1.5~f/16 |
撮影距離 | 0.9m~∞ |
画角(対角線/水平線) | 46°/38° |
最近接範囲 | 370mm×550mm |
レンズ構成 | 4群6枚 |
フィルター | 46mm |
質量 | 250g |
最大径 | φ55.6mm |
全長(マウントより) | 38.2mm |
距離計連動範囲 | ∞~0.9m (使用するカメラにより異なる) |
レンズ構成
焦点距離は50mmで絞りは開放F1.5の大口径レンズ。
レンズ構成は4群6枚のゾナータイプで、現行でゾナーとつくタイプの中では一番本家に近い作りのゾナーといわれているようです。
本家は1930年ごろに作られたSonnar 5cm F1.5というレンズですね。
コーティングなどの違いから色収差の補正やフレアやゴーストの耐性は上がっていて現代的な解像度の高い写りをしてくれるので、オールドゾナーとはやっぱり結構違いは見られるそう。
現行と本家でも認めてない感じがあったりするようなので、昔のSonnarはどれだけコアなファンがいるんだろうって感じですが、そういったストーリーも魅力の一つですね。
写り
描写
写りはめっちゃ良いです。さすが現行レンズ。
絞り開放では柔らかく、自然で大きく美しいボケ味をもち、絞れば画面全体におけるコントラスト・解像力が向上した鮮鋭度の高い描写が得られるレンズ
http://www.cosina.co.jp/seihin/zeiss/zm/zm1_5-50/index.html
っていうことみたいなんですが、まあわけわかんないですよね。
なんとなく書かれていることはわかるんですが、撮っているときはシビアなフォーカスに四苦八苦しているので、写りに感動するのはおうちに帰ってから。
たしかに撮っていても開放ではシャープというよりか丸み帯びた輪郭という印象を受けますし、コントラストも高めで色乗りの良いレンズだと感じます。
そしてマニュアルなのでまあまあピントを外してしまうのですが、ピントを外したときの描写も好きだったりするんですよね。
ちょっと外れたくらいの写真でも結構愛せる懐の深さを感じるレンズかなって印象です。
解像度
続いて開放から少し絞るとキリッとするとはよく言いますが、Sonnarはまさにこのセリフが当てはまるレンズです。
開放ではピント面が合っている部分も丸み帯びているような描写だと例えられることが多く、曖昧な写りに見えることもあります。
X100Fの写りは“開放ではふわっとしたオールド感があるみたいな~”ことをよく言われると思うんですが、それに近いような…気がしますね。
F5.6くらいで撮るとちょうど良いような印象があります。開放でバンバン撮りたいんですが、確率重視で5.6が良い感じです。
開放で横顔を撮ると本当に一部にしかピントが合わないので注意です。
T*コーティング
Sonnarはティースターコーティングっていうのが施されているんですが、ものすごくフランクに書くと気合の入っているレンズに使われるコーティングです。
なのでT*という文字が入っていれば、ツァイスは気合いを入れていること間違いないですし、実際に写りも良いです。
レンズに入る光の乱反射を少なくし、透過率を上げて色乗りをよくするっていうコーティングが施されている
http://www.cosina.co.jp/seihin/zeiss/zm/zm1_5-50/index.html
コーティングのおかげで、コントラストが高まり色乗りも良くなるんですが、こってりした写りになる印象はこのコーティングのおかげだと思います。
オールドレンズのようにゴーストがバンバン出なくなるんですが、超逆光のときはゴーストやフレアも出ました。
ピントが合っていなくてもなんとなく許せる写りってのはおそらくこのコーティングのおかげかなと思います。
使用感
フォーカスについて
つぎはフォーカスについてですがオートフォーカスはなく、マニュアルフォーカスのみで撮影するレンズなのでフォーカスリングの滑らかさはこだわられているように感じます。すごく使いやすいですね。
硬すぎることもありませんし、AFレンズのようにスルスルっと緩すぎる感じもなく扱いやすいフォーカスリングです。
Mマウントレンズによくあるつまみみたいなやつがないことを、使いにくいと感じる方はもしかしたらいらっしゃるかもしれませんが僕は苦手なのでなにもないタイプのほうが好みです。
マウントについて
ちなみにマウントについてもすこーしだけ詳細をお話しますと、ZMマウントというのはライカMマウントのツアイスが作っているMマウント互換レンズっていう感じです。
VMならフォクトレンダー、KMならコニカなどがあります。マウントアダプターはLM-FXと検索をかければMマウントからXマウントに変換するタイプのモノが多数出てきます。
僕が今持っているマウントアダプターはKIPONの5,000円くらいのものですが、全くガタツキもないですし無限遠も出ますので問題なく使えます。
これまでKenko、SHOTEN,KIPONと使いましたが、ヘリコイドが必要かどうかくらいの違いしかいかなーって感じですね。
SHOTNは見た目に高級感があってかっこいいですし、ヘリコイドもついていますが、価格が2万円ちょいって感じなので結構高いんですよね。
AFモーターがついているマウントアダプターでも4万円くらいなのでかなり高いと感じます。
でも質感はやっぱりよかったです。
▼結局SHOTENをまた買いました
使っていて微妙な点
最後ですが、ここまでべた褒めだったんですが、使いにくさを感じるポイントが2つあります。
ひとつ目はフォーカスシフト
ピントを合わせた後に絞りリングを動かすと、例えばF2からF1.5に変えるとピント位置が前へ、F2からF2.8に変えるとピント位置が後ろへ。
といった感じでピントが移動してしまいます。
最短撮影距離
Mマウントのレンズってだいたいこの問題がついてきますが、このレンズもまあまあ距離が長いです
今まで僕70cmくらいまでは使ったことがあるのですが、Sonnarはかなり遠くて最短撮影距離は90cm。
少し離れたところから撮影しないと、子どもを撮るのは難しいレンズです。
SHOTENのヘリコイド付きマウントアダプターで簡易的にクローズアップできるようになりますが、撮りやすくなるというか寄れるようになるって感じなので子どもを撮る方向けではないです。
テーブルフォトなどを撮りたい方はあったが良いですね。
お気に入りの写真
FUJIにつけて(X-T4)
Konica HEXAR RF
最後に
という感じでSonnarの魅力や特徴をお話してきましたが、少しでも魅力を感じていただけると嬉しいです。
Mマウント互換のレンズをフジで何度か使ってきているんですが、最短撮影距離の長さとかも結構ネックで半年くらいで売っちゃってるものが多いんですよね。
で、Sonnarも正直売ろうと思ったことはあります。でも、最近ほかの方の記事を見ていたら思ったんですよね。
これは神レンズだなと。
このレンズはまあ使いにくいですし、おすすめしたいわけでもないんですが、やっぱり売らないと決めたのでしっかり魅力をお伝えできればなーと思ってご紹介しました。
MマウントのレンズをフジでAF化するためのマウントアダプターもありますが、
もうちょっと駆動が良い感じになるか、テックアートから出たら買おうと思います。
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