EOS M3を使い始めて1年半以上が経過しました。
これまでM3の関連記事は結構書いてきたのですが、本体のレビューをしていなかったので、1年越しに正直な気持ちを書くことにしました。
『間違いなく買って良かった!思い切ってミラーレスカメラにしたのは自分に合っていた!』
・・・
発売してからもすでに1年以上が経過し、今から買おうとしている方は多くないかもしれません。ですが、中古やオークションで迷っている方もいるかもしれませんので、「最新機種じゃなくても良いから画質が良くて軽いカメラが欲しい」方に向けて書いていきます。
長くなりますので、最初におすすめポイントとちょっとイマイチな点をまとめます。
- 携帯性に優れる
- 2400万画素で高画質
- 外付けEVFファインダーが良い(取り外せるところ)
- タッチシャッターが便利
- チルト液晶が最高
- マウントアダプターでレンズ資産を活かせる
- 追記:型落ちカメラなので安い!(ボディのみで4万円・レンズ1本セットは4万円台ある)
- デザインは他社に劣る(Canonらしさはある)
- バッテリーの持ちが悪い
- ファンクションキーの設定がわかりにくい
軽くまとめるとこんな感じです!
EOS M3についての評価やレビューをもっと詳しく知りたい方は、目次をクリックして気になるところから下のほうまで読み進めてみてください。飽きたらまた上に戻ってきてまとめを読んでみてください。
目次
ミラーレス一眼カメラ『EOS M3』のスペックレビュー
EOS M3は発売から1ヶ月後に購入しました。Canonのミラーレスカメラはあまり期待をされていないような風潮がありましたが、M3が発表されてからその評価は一気に変わりました。
もちろんM2も人気がなかったわけではありませんし、一度触ってみた印象は軽くて使いやすいカメラ。純粋に良いカメラだと感じました。しかし、他社のミラーレス一眼カメラに比べてまだまだ本気度が低いと評価されていたのも事実。それを跳ね返すほどのインパクトを与えたM3はまさにCanonユーザーさんが待ち望んでいたカメラです。
今までのCanonのミラーレスはどうしてもサブ機としての扱いを受けてしまいがちでしたが、EOS M3ならばメインカメラとしてその実力を存分に発揮してくれます。
それではまず、本体の性能や使い勝手の良さ、外観などについての感想から。
携帯性の良さはミラーレス機の強み(M2と比べなければ)
まず最初にお伝えしたいことは、EOS M3は「軽い・携帯性抜群・グリップも良く持ちやすい」と三拍子揃ったカメラです。が、「軽い、小さい」を追求するならば、M2には劣ります。ということで、あえて前のモデルのM2と比較していきます。
大きくなったとはいえ、その厚みは4.5㎝ほど。初心者用の一眼レフでも8㎝くらいの厚みがあるので、全然気にならない程度の奥行きです。
EOS M3の正式なサイズは【約110.9(幅)×68.0(高さ)×44.4(奥行)mm(Canon製品情報ページより)】となっており、前モデルのEOS M2と大きく違うのは奥行きが10㎜以上大きくなったこと。
そして重量も本体のみなら319gと軽量。これもM2に比べると重くはなっていますが、かなり軽い部類に入ります。
M2からの乗り換えをすると携帯性は若干劣るかもしれませんが、それを補うほどにM3の性能は充実しています。
機材 | EOS M2 | EOS M3 |
サイズ | 約104.9(幅) 65.2(高さ) 31.6(奥行)mm | 約110.9(幅) 68.0(高さ) 44.4(奥行)mm |
重量 | 約238g | 319g |
一眼レフが重すぎて持ち出さなくなった…という方にとって携帯性の良さは嬉しいポイント
タッチパネルで直感的な操作も可能
ダイヤルの位置も使いやすく、さらには液晶がタッチパネルとなっていますので操作がとても簡単です。最近のカメラは当然のようにタッチパネルとなっていますが、実際に使用したのは初めてでした。
使用感はかなり良いです。感度も良いし、画面を見ながら操作するときはタッチパネルのほうが早い場合もあります。
M-Fnボタンの設定はしとくべき
操作面でひとつ注意したいことは「M-Fn」のボタンは自分で設定しなければ最初はなにも反応しません。
最後は自分のお好きなボタンを選択します。
僕は絞り込みを使っていますが、他にもたくさんの機能があります。絞り込みをざっくり説明すると、ピントがどの程度合っているか確認して、撮影後の画面を見ることができるような感じ。
操作に関してはこの辺りを抑えておけば完璧。INFOボタンやメニューボタンでさまざまな設定ができますので、自分なりに使い方を良くしていくことができます。
ボタンのカスタマイズは敷居が高いですが、使いこなせば操作性はさらに良くなります
AF速度はストレスがない程度の速さ
AF速度(自動でピントを合わしてくれる速度)は以前使っていたEos Kiss X3よりも早いことは間違いありません。しかし、爆速ってほどではなく、困らないレベルです。
高速AFを保つためには、ミラーレス専用のEF-Mレンズを使う必要があります。昔使っていたEFレンズ(一眼レフ用のレンズ)を使う場合は若干遅いと感じます。SIGMAのレンズを使うときはもっと遅く、MF(マニュアルフォーカス)のほうが早い気もしますね。
測距点が49点に増えた分、ピントを合わすのは早く簡単になりました。
なかなかピントが決まらなくていイライラしてきたときなどは、諦めてタッチパネルでピントを合わせたり、1点AFを使うとかなり楽です。
外観はCanonらしさがありかっこいい
ミラーレス機になってもまさにCanon。
FUJIFILM・OLYMPUS・Panasonicのように「オシャレ・レトロ・かわいらしい」という要素があるカメラではありません。
デザインに遊び心が見られないのは良くも悪くもCanonの良いポイントですが、正直なところもう少しひねりがあると嬉しかったです。
と、僕が購入した頃にはM3しかなかったのですが、Canonもオシャレユーザーさんや女性向けのモデル『EOS M10』をいつの間にか発売していました。
「絶対にCanonのミラーレスが良い!」という方で、なおかつオシャレな外観の機種が欲しい方におすすめです。
EOS M10の特徴
- M3のようにゴツゴツしていない
- 角は丸くなっている
- カバーを交換することができて色は10種類
- 価格もEOS M3より1万円以上安いのでお求め安い
カメラを始めて購入される方にはちょうど良いですね。
Amazonで「EOS M3が大きくなってしまったことが残念だった」という口コミもありましたので、M3よりもコンパクトになったEOS M10はよりコンパクトなカメラを使いたいと思っている方におすすめです。
Canonのミラーレスを使いたい!でもデザインが気に入らない!ってときは「EOS M10」を選ぶのもアリ
バッテリーは動画を撮らなければ1日はもつ(電源はこまめに切る)
バッテリーでは悔しい思いをしたこともあります。動画撮影をしていて半日もたず、その日はたまたま宿泊中のホテルに予備バッテリーを忘れていました。撮影可能枚数も200枚前後なので、なるべく予備バッテリーは用意しておきたいですね。
動画を撮らなければ1日撮れると思いますが、使わない時に電源は切っておいた方が無難です。
EOS M3の特徴
小さいミラーレスながらも特徴はたくさんあります。
画質面でも安定感あり
フルサイズではありませんが、2400万画素でAPS-Cセンサーが搭載されているので、とても綺麗な画質だと感じます。
高感度に強くありませんが、ISO12800でも使えないことはありません。ISO3600くらいまでは多くの方が満足する画質になると思います。僕個人の意見としては、粗い写真になってでも撮りたい派なので、ISO12800でも使えるレベルと言い切れます。
ただし、現像(加工)する前提でのISO12800です。ISOオートにしていると余裕があるときでも自動で12800になったりするので、ISOの上限設定はしておくと綺麗な画質の写真を撮ることができます。
EVFファインダーを搭載
これまでのEOS Mシリーズにはファインダーが付いていませんでした。それがM3からは新たに外付けのEVFファインダー(別売)が搭載されるようになったのはかなりのメリットです。
これにより、Canonのミラーレス一眼カメラの立ち位置も変わってきたのではないでしょうか。
ファインダーだけではなく、画質面やAF速度の影響もありますが、サブカメラとしての立ち位置だったM2から、M3はメインカメラとして、レンズ交換式カメラのライバルたちに立ち向かえるようになった気がします。
ファインダーを上からものぞけるので、極論ですが床においてもファインダーを見れます。(液晶でもいいけど…w)
「内臓ファインダーでも良いのでは?」という気持ちも若干ありましたが、使ってみるとファインダーを取り外しできるのは便利でしたので、つくりにはすごく満足しています。
視認性も高く、目の周りにぴったりとフィットするような作りになっているので、撮影に集中できます。逆に撮影に集中しすぎて困る場合はファインダーを外すこともできますので、メリハリをつけてカメラを楽しめますよ。
チルト液晶
チルト液晶のカメラを初めて使いましたがかなり便利ですね。液晶が少し動くだけのモノはコンデジで使ったことがありますが、完全に反転するタイプのほうが断然便利です。
チルト液晶についてのメリットをあげてみます。
- 反転するので自撮りや二人で撮るときが楽。
⇨広角レンズがあると余裕過ぎます - 地面に置いて低い目線で撮りやすい
この機能によって下から撮ることも増えました。
タッチシャッター
「肉眼で被写体を見ておきたい。でも撮りたい……。」そんなときにはタッチシャッターが便利です。
タッチシャッターを使うとピンポイントでピントを合わせるのが早いので、時間短縮にもなりますし被写体を肉眼で見ながら撮影を楽しむこともできます。
僕は赤ちゃんを撮影するときにタッチシャッターが便利だなと感じました。赤ちゃんの表情は自分の目でも見たいんですよね。
顔を見せて笑わせつつなんとなく撮る。そんな感じで良いのではないでしょうか。
Wi-Fiの設定など
EOS M3はWi-Fiが搭載されているカメラなんで、いわゆるスマホにも写真を送れるデジカメってことです。
最初はカメラ本体と他媒体(iPhoneなど)をWi-Fiで接続できるものとは思っていませんでした。無線LANルーターを経由して繋ぐものだと認識していたので、「まあそんなにたいしたことないな」と偉そうに思っていたのですが、本体と繋がるなんて最高すぎますね。
車の中でもどこでも気軽に写真をiPhoneなどに送信できるので、すぐに友人に送ったりすることもできます。
クリエイティブフィルターを使って遊ぶ
クリエイティブフィルターを使えば、撮影してすぐさまおもしろい加工を機械側が勝手にしてくれます。
HDRからモノクロまでさまざまなフィルターが備わっているので、簡単に他の人と差をつけたい時には使えるかも。
さまざまな操作を知る上でおすすめの本
説明書を読むのは面倒ですが、作例ありきの本はなかなか読むのも楽しくなってきます。ファッション雑誌なども含めて全く雑誌を読まない僕でもかなり楽しく操作について学ぶことができました。
ファンクションキーの使い方はこの本で知りました。忘れましたが、なるほど!と思う瞬間も何度かあった気がします。この本を読むことでさらにカメラを使いこなせるようになりました。
あまり説明書やガイドブックを読むことがないタイプですが、買ってみてよかったです。
EOS M3にEF-Mレンズ装着してみる
EOS M3はさまざまなレンズを使うことができます。僕自身が使用しているレンズも混ぜつつ紹介していきますね。
初心者はまずダブルズームレンズキットがおすすめ
- レンズにもまだこだわりが少なく、どれを買ったら良いのかわからない
- ボディだけ買って別売りのレンズを買いたいけどイマイチ自信がない
初心者のときはなにを買えば良いかもわからないと思いますので、とりあえずダブルズームレンズキットを買っておけば間違いありません。
広角側から望遠が200mmまであるので、どんなシーンにも対応できます
EF-M22mm F2 STM
開放F値2の明るく描写力も素晴らしいレンズです。形状も薄型のパンケーキレンズで携帯性も完璧。
背景をぼかした写真を撮りたいときにはこのレンズを使えば完璧ですね。
»【作例あり】Canon EF-M22mmF2 レビュー。コンパクトでおすすめ単焦点レンズ
EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM
このレンズは本当に買って良かったレンズです。
超広角レンズは広角側の描写力も高い点も優れてますが、意外と寄って撮れることがすごくおすすめのポイント。
»『Canon EF-M11-22mmレビュー』ミラーレス一眼用超広角ズームレンズが楽しすぎる!
マウントアダプター + EFシリーズレンズ(一眼レフ用レンズ)
まずマウントアダプターを簡単に説明しますと、EF-MレンズとEFレンズ繋ぐパーツです。公式な説明でもこんな感じです↓
交換式レンズで異なるマウントのボディにもレンズを装着できるようにする繋ぎのパーツ
わかりにくいと感じる方もいらっしゃるかもしれませんので、写真も載せておきます。
Canonと書いてある部分がマウントアダプターです。詳しい説明は下の記事をご覧ください。
ここからが本題ですが、このマウントアダプターを使って、今までのレンズ資産を活用するのもミラーレスカメラを楽しむためのポイントです。
僕はCanon用のEFレンズを何本か持っていたので、ミラーレスカメラを買うときはCanon一択でした。
ミラーレスカメラを買うと、レンズのマウントが変わってしまうことがデメリットのひとつになってしまいますが、マウントアダプターがあれば今まで持っていたレンズでも撮影をすることができます。
何本か使用していますので、どんなイメージになるかだけお伝えします。
SIGMA 30mm F1.4 (単焦点レンズ)
先ほども写真を載せてしまいましたが、まずはSIGMAのSIGMA 30mm F1.4単焦点レンズ。
とにかく明るいレンズでこれからも継続して使用したい1本。
このくらいのサイズになるとちょっと本格的なカメラっぽく見えてきてかっこいいです。レンズ自体の重さが400gを超えますのでマウントアダプターも合わせると800gくらいにはなりますが、全く問題ありません。
Canon EF50mm F1.8 (単焦点)
Canonの撒き餌さレンズと言われている50mmの単焦点レンズ。
このレンズでカメラにはまった方も多いはず。見た目はゴツくなりますが、レンズの重さが130gなので、550g前後とかなり軽いです。
フルサイズ換算で焦点距離は80mmなので、ポートレート用のレンズとして活用するのも良いかもしれません。
シグマ 17-50mm F2.8 (ズームレンズ)
ズームレンズの中でも明るいシグマ 17-50mm F2.8 。通しでF2.8開放で使えるのがメリットです。
このレンズはかなり重量がアップしてしまいますが、ちょっと本格的な感じに見えますので、たまには付けて遊ぶのも良いですね。
今までズームレンズに助けられたこともたくさんありますので、このレンズも継続して使いたいです。結婚式のときに活躍しました。
マウントアダプターを連結してオールドレンズで遊ぶ
ミラーレス一眼カメラの人気が上がってきている背景には、オールドレンズを楽しむ方が増えていることもあげられます。
上の写真のようにマウントアダプターをふたつ重ねます。
それにオールドレンズを付けるとこのような感じになります。
ゴツくなり重量も結構なものになりますが、撮れる写真は現代風の写真とはちょっと違った雰囲気になり、ひと味違った楽しみ方ができるようになります。
僕が使っているのは「MINOLTA MC ROKKOR-PG 50mm F1.4」通称、緑のロッコールと呼ばれているレンズです。
50㎜のレンズで、アダプターを重ねてさらにAPS-Cサイズのセンサーに付けているので、焦点距離は104㎜。ちょっと使いづらいですが、最初は「これ自分で撮ったの?」と驚いてしまうような写真が撮れます。
ミラーレス一眼でオールドレンズを使う場合は、レンズなしレリーズをONにしておかなければ撮影できませんので注意。
「カメラの本体はオールドレンズの存在を認識できないので、レンズがない状態でもシャッターを切れるようにしておこうね」
詳しくは下の記事をご覧ください。
EOS M3のまとめ
EOS M3を1年以上使ってみてのレビューでしたので、かなり長くなりましたが参考にしていただければ幸いです。
僕個人の感想としては、自分の生活スタイルに合っているカメラを購入することができましたので、M3にして本当に良かったと思っています。
フルサイズの本格的なカメラが欲しい気持ちもありますが、やはり僕は気軽に持ち歩けるカメラのほうが使用頻度も高いのでM3は間違いない買い物でした。
綺麗な写真も撮れますし、本格的な撮影もできる。さらにはオールドレンズで遊ぶことも可能。用途が幅広くたくさん楽しむことができるEOS M3。今からでもまだ遅くありません。
- 携帯性に優れる
- 2400万画素で高画質
- 外付けEVFファインダーが良い(取り外せるところ)
- タッチシャッターが便利
- チルト液晶が最高
- マウントアダプターでレンズ資産を活かせる
- 追記:型落ちカメラなので安い!(ボディのみで4万円・レンズ1本セットは4万円台ある)
Canonのミラーレスは気合が入ってないなどと言われることもありますが、使ってみると携帯性、操作性、描写ともに申し分ないカメラです。
ぜひ一度手にとって見ていただきたいと思います!では!
今後新しいミラーレス機も出るかもしれませんが(新機種が出ています)、M3はCanonが初めて本気を出したとまで言われているミラーレスカメラです。AFも早く携帯性も良くカッコいい!
今はFUJIFILM X100Fを使っていますが、型落ちでEOS M3を買うのもおすすめです!